cantabile

   小説は 『知的たくらみ』 だと思う。特に短編小説の出来、不出来は、この 『たくらみ』 の良し悪しに依存する。村上春樹(『若者のための短編小説講義』、筒井康隆(『短編小説講義』)などの名たる作家が短編小説を解説していることでもわかる。

   この 『たくらみ』 が小説の面白さだが我々初心者は、このような本から面白さを 『学び』 『真似る』 ことにより、徐々に小説らしきものを創る方法を身につけていく。ただ、この 『たくらみ』 も、最後まで読ませる技術がなくてはどうにもならない。

   そのため、創る側は読ませるための戦略を立てる。例えば、初めに事件を提示しその謎を徐々に明かしていく、サスペンス物などはこの典型だが、もっとも簡単なのは 『Hな場面の描写をいれる』 ことだと思う。

   渡辺淳一の作品を見れば納得していただけるだろう。

   その意味では、今回の作品 『出生の秘密 』 は 『Hな場面』 はない。 さて、これで読んでもらえるだろうか? まあ、最後まで読んでもらえれば俺の腕前も少しは上達したか。 その上 『たくらみ』 はなにか?と思わせられたら大成功。 みなさんよろしく。

                             


2009年12月8日
                                  椎名 利

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